レース1週間前、トレーニング中に臀筋の側部からバチン!と、吐き気を催すほどの強烈な痛みが走り、全くペダリングできなくなってしまう。
まともにペダリングできないレベルで臀筋に鈍痛が…
— きむら (@kmtk785) 2023年6月10日
落車の傷庇いすぎて変なとこ痛めたかな?
今まで自転車に乗っていて痛みが出た経験はなかったが、きっかけに心当たりはある。
実は2週間前の壱岐2日前、雨天走行中に滑って落車したのがきっかけで股関節付近に打撲があり、我慢して無理矢理ペダリングしていたせいで違う箇所痛めたのかな、と。
ここまでニセコに向けて準備してきて完走できない、もしくは出走すらできないのは悲しすぎるので、そこから3日間はがっつり強度を落とし、氷嚢でしっかりアイシングしてなんとか走れる形にならないかと試みる。痛みが出るまでの距離が10kmから20、30kmと徐々に改善はしつつ、一度痛みが出るとあまりの強烈さに立っていられなくなる。仕方がないので臀筋をあまり使わないポジションへ変更するべく、大会直前にサドルを高く、前乗りにセッティング。前腿をメインで使うポジションに。痛めた箇所に違和感はありつつ火曜日に80kmはなんとか走れたので、本番はこのポジションで行くことに。
レース前日は同行する岩男さんと福岡空港で合流。新千歳空港からレンタカーで2時間半で会場着。会場に森本さんがいらっしゃったのでご挨拶。
その後は車で試走、夕食、入浴、翌日の準備を済ませ23時半就寝。意外と繊細なのか慣れない環境で全く眠れず1時起床(笑)二度寝できないかチャレンジするも全く眠れる気配ないので、起床予定時刻だった午前3時まで昨年コースを走った方の車載動画を見て予習することに。
午前3時からぼちぼち朝食を済ませ、5時過ぎには会場入り。北海道は日の出時刻が早いらしく、朝4時ごろにはすでに外が明るくなり始めてた。
会場で見知った方々に挨拶を済ませ、6時15分からパレードスタート。パレード区間は先導車に従って進むが、時速20kmで固定してるっぽくて、登りはやや早く下りはめちゃくちゃブレーキかけながら進む感じ。かなりの人数がいるので誰か突っ込むだろうなーと思ってたら案の定パレード中に落車があったみたい。アーティファクトの石井さんは集団走行めちゃくちゃ上手くて一瞬で先頭まで上がってたな。
7kmくらい?のパレードを終えてリアルスタート。自分は割と後方まで下がっていたが、最初の大きな登りがある神仙沼までにポジション上げとけばいいだろうと、周りにどんなヤバい人がいても回避できるような安全マージンをとりながら、最初の危険区間の下りをこなす。最高速度は85km/hでした。
30kn地点 神仙沼の登り口では20番程度までポジション上げて30分の登坂へ。アーティファクト石井さん含む5名程度が抜け出してた様だが集団に動きはなく、SSTにも満たない程度で粛々と登坂をこなす。聞いてた通りここではまだイージーだなと思ってたら頂上手前で軽く前腿を攣る。まじでか。
ここでは誰も自分の事など警戒していないだろうけど弱みは悟られたくなく、ポーカーフェイスを貫いて神仙沼をクリア。ダウンヒルをこなして恐らく平坦区間で石井さんグループ吸収。コーナー後の立ち上がりで雑に踏み込むとまた攣った。
その後何度か軽度な攣りを繰り返して勝負どころの新見の登りへ。11分の登りのうち7分6倍弱で突っ込み集団は15名程度まで絞られる。有力どころも含めてここでかなり遅れていた様だが、後半斜度が緩むと同時にメイン集団のペースも緩み、一度千切れたメンバーも複数名復帰。集団からは超強豪ヒルクライマーな佐々木選手、田中選手が抜け出していたが、登りでは絶対に敵わないので見送って集団で追いかけるルートを選択。実はこの時、かなり前の地点からぱやおさんと元プロの小出選手が逃げていたらしく、佐々木選手と田中選手は逃げではなく追走だったみたい。全然レース見えてませんでした。
残った集団の方も脚がある人は限られており、ローテーションはぎくしゃく。北海道の牧野選手、平口選手が積極的で印象に残ってる。
回せる人だけ前に上がってくれ!と声掛け。言ってる手前自分が引かないわけには行かないのでバキバキに攣ってる脚を無理矢理回して自分も先頭へ。
この時はまだ痛みに耐えつつなんとか前に出られたが、ラスト15kmはかなり限界を迎えており、自分も回れなくなってくる。なんなら下りの外脚荷重で踏ん張っただけで攣ってしまい、次のコーナーまでにペダルを回す度に激痛が走る。
ダンシングした瞬間に両脚攣って倒れそうになりながら持ち直し、その後もたびたび訪れる登り返しの度に何度も何度も攣り続け、このまま走り続けると肉離れになる可能性があるなと考えつつ、今日のために今まで頑張ってきたのにこんなところで終わってたまるかと、今日身体が壊れてしばらく走れなくなってもいいという執念でペダルを回し続ける。
徐々に人数が減っていく集団。牧野選手と、優勝した高校生の佐藤選手が恐らく下りで抜け出して追走していた様だが、痛みに堪えるのに必死でそれすら気づいていなかった。
ラスト4km。もう逃げを捕まえるのは恐らく難しく、依然3位争いの集団だと思ってる自分はなんとかこの集団の頭をとってやろうと、集団前方に位置取りしつつローテーションには加わらず。平口選手を中心にペースを上げたがる選手が数名いたので、もしかしたら逃げ集団が目視できてたのかもしれない。(85kmの選手とごっちゃになって自分には全く見えていなかったが)もしそうだとしたら悪いことしたな。できればモトバイクには逃げ集団だけにではなく、メイン集団にも人数とタイムギャップを伝えてほしい。
ラスト300m。左折して登りスプリント開始。
六本木の木村選手と最後まで横並びでもがきあうが、ラスト10mで本当に燃え尽きてしまい脚がぴたりと止まる。後ろからズブズブと抜かれながらゴール。
ゴール後、ペダルが回せないのでバイクを降りてしばらく放心。痛みとか悔しさとか安堵感とか、いろんな感情が溢れてくる。
※カメラの位置分かってんのかってくらい映り込んでくるな。
年代別11位。総合では映像見る限り恐らく15位前後か。
優勝はなんと高校生の佐藤くん。実は彼とは3月に鹿児島であったJBCFの肝付ロードの時に一度戦っていて、彼が1位、自分が2位。その時からいずれ有名になると思ってけど、まさかこんなにすぐにビッグタイトルを獲るとは。本当にすごいな。
自分としては求めていた結果は得られず、積極的に動いたわけでもなく、全くレース展開も見えておらず、反省だらけの苦いレースになってしまったが、一度レースをメイン集団で最後まで走った経験は来年以降のレースに必ずプラスに作用するので、前向きに考えると収穫はあった。あと、痛みに耐える精神力は鍛えられました(笑)沖縄の時は落車で終わって何も得られなかったからね。
ここ数年、脚を攣るなんてことは経験してなかったが、ニセコは本当に辛いレースだった。自分には前乗りのポジションは合わないみたい。かと言って前のポジションのままだと恐らく完走すらできてないので、選択肢なんて元からなかったのだけど。
世界選手権参加資格のメダルを受け取って
その後洞爺湖まで観光がてら岩男さんとドライブ。
翌日早朝は前日のレースで大活躍したぱやおさん、ACTIVIKEにっしーさんと羊蹄山周りをサイクリング。
レース結果以外は大満足の北海道旅行でした。
ニセコが終わったらしばらく休もうと思っていたけど、逆に火がついた。絶対に、絶対に来年もう一度チャレンジします。でも怪我治るまではひとまずゆっくりしよう。
YouTube観て応援してくれてた甥っ子が可愛すぎた。不甲斐ない叔父でごめんよ…
レース動画